【書評】クレイジーな新感覚小説、村田沙耶香の『殺人出産』 – good life note

【書評】クレイジーな新感覚小説、村田沙耶香の『殺人出産』

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今回紹介するのは、村田沙耶香さんの『殺人出産』です。

読んだきっかけ

この本は、ハードカバー版が出たときから気になっていたのですが、ボリュームの割には値段が高く…

表題のあらすじも、かなり奇をてらったものだったので、買うのはなかなか勇気がいるものでした。

(基本的には、特に好きな作家の本しか単行本で買いません)

本書の感想

今回、文庫本になっていたので購入してみましたが、もっと早く読んでおけばよかったなと感じました。

本書には、4つの作品が収録されているのですが、どの作品も独特の世界観があり、内容も驚きの連続でした。

1冊に何作品かが収録されている本を読んだ場合、印象に残る話というのは1、2作品の場合が多いですが、この本の場合は、4作品ともとても印象に残っており、内容もはっきりと覚えています。

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表題作『殺人出産』のあらすじと感想

どの作品も、まず現在ではありえない前提があり、話が進められていきます

『殺人出産』には、

今から100年前、殺人は悪だった。それ以外の考えは存在しなかった

引用元:『殺人出産(講談社文庫)(P13)』

という文章があり、今の常識が、未来では変わっているという設定ということがわかります。

その時代の日本では、人工授精で子供を産むのが常識の世界で、10人産んだら、誰でも1人を殺すことができる制度があります。

また、殺人者が強制的に命を造る「殺人出産システム」によって人口を保っています。

会社員の育子には「産み人」となった姉がおり、10人目の出産が迫っています。姉が体を酷使してまで、殺したい人とは誰なのでしょうか?という内容です。

内容だけでも、すごく濃いですよね。他にも、虫を食べるのが流行っているなど、ぞっとするような描写がありました。

内容が内容ですし、生と死というとてもデリケートなテーマを扱っているので、賛否両論となることは作者の村田さんも想定済みだと思います。

実際、amazonのレビューでは、批判的なコメントも多かったです。

ただ、個人的には実験的なこの本はとても新鮮に感じましたし、今までにない作風の作家さんが出てきたなぁと嬉しくもありました。

ラストシーンは後味が悪かったですが、私には異なるラストを思い浮かべることはできませんでした。

別作品で芥川賞を受賞!

別作品ではありますが、村田さんは『コンビニ人間』で、第155回芥川賞を受賞しています。

コンビニ人間も賛否両論な内容となっているようなので、興味を持ちました。私もまた読んでみたいと思います。

まとめ

表題作の他3作品も好き嫌いは分かれる作品だとは思いますが、どの作品も設定がユニークで読んでいて飽きないので、読んでみる価値はあると思います。

気になった方はぜひ。
試し読みはこちらから!

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