【書評】森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』で京都を感じる – good life note

【書評】森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』で京都を感じる

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約10年ぶりに『夜は短し歩けよ乙女』を読み返しました。

単行本が発売された当時、ジャケ買いしたこの本。不思議な世界観に惹かれ、「黒髪の乙女」にキュンキュンし、森見登美彦ファンになったのを覚えています。

文庫本のカバーも良いのですがやっぱり単行本カバーのほうが好きだなぁ…

映画版『夜は短し歩けよ乙女』を観た!

今回映画化されると聞き、何度も予告をYouTubeで確認するほど公開を楽しみにしていました。実際に映画を観て、一番に思ったこと。

全然夜短くないやん!

カラフルなアニメーション映像はおもしろく楽しめましたが、4つのストーリーを一夜の出来事(しかも上演時間は93分)としてまとめていたため、少し無理がありました。

話の内容も原作とは異なっており、原作の映画化という点では少し残念に感じました。もう少し丁寧に映画化してほしかったです。

ただ、それでも愛らしい「黒髪の乙女」に私は満足できました。

原作の内容をなんとなくしか覚えていなかった私は、映画を観たその日のうちに文庫本を購入し再度読み返しました。

あらすじと感想

京都を舞台にした恋愛ファンタジー作品。「黒髪の乙女」と彼女に想いをよせる「先輩」の二人が主人公。

夜の先斗町、下鴨神社の古本市、大学の学園祭では沢山の個性豊かな登場人物が登場し、不思議な出来事に巻き込まれていく。「黒髪の乙女」と「先輩」の恋の行方はいかに…?

本を読み返して思ったのは、「やはり映画よりも本のほうが面白い!」ということ。

本では映画に比べ、一つ一つのエピソードがしっかりと描かれています。それに、語り手が「黒髪の乙女」と「先輩」とで交互に話が進められていくのが特徴ですが、映画では「黒髪の乙女」が出てくるシーンがほとんどで、「先輩」は割とチョイ役のイメージでした。

他にも、映画と内容が異なる箇所も多々ありましたし、著者の森見さんの独特な言い回し(これは本を読んだ人にしか理解してもらえないと思いますが)の良さが映画では表現しきれていなかったのが残念でした。

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この小説の好きなポイント

①「黒髪の乙女」の「なむなむ!」

普通に日常生活を送っていて、「なむなむ」と言う人に出会うことはあるでしょうか。私は出会ったことがないです。

「黒髪の乙女」は「なむなむ」が口癖で、只者ではない不思議ちゃんオーラを感じることができます。

ただし、森見さんの書き方が上手いのか、ただのイタい子ではなく、あくまでも愛らしい天然の不思議ちゃんという印象を受けることができます。

それに加え、純粋で行動力があり、責任感もある「黒髪の乙女」はとても魅力的です。

②京都の名所の数々

この作品にはたくさんの京都の名所がでてきます。下鴨神社、鴨川、先斗町、糺(ただす)の森、京都大学、吉田神社などです。

私は京都の大学(京都市内のキャンパスにあまり行くことはありませんでしたが)に通っていたため、よく京都に行く機会がありました。

そのため、先ほど挙げた場所には全て行ったことがあります。自分の知っている場所が作品の中に出てくることでとても親近感がわき、また京都に行きたいという気持ちになりました。

京都に関する思い出のある方、今京都に行きたい方は、読むときっとまた京都に行きたくなると思います。

特定の都道府県を舞台にしている作品は多いようで少ないため、このような作品がもっと増えたら地域の活性化につながるのになぁと感じました。

③ふたりの恋の行方

「先輩」の恋心に全く気付いていない、「黒髪の乙女」の気持ちがどう変わっていくのかが注目ポイントです。

まとめ

映画は観たけれど、小説は読んでないという方には、ぜひ読んでいただきたいと心から思います。解説の羽海野チカさんのイラストも可愛いです。

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